活動における重点テーマや目標
介護が必要となりホームにご入居された方々に、過去から現在までの作品の展示を通じて自信や誇りを感じて頂き、その方の可能性や意欲をさらに高めて頂きたい。年に一度の美術館での展示が生活の目標にも繋がります。
活動の概要
ベネッセスタイルケアが運営するホームのうち、主に世田谷区のホームにご入居の方々の作品を世田谷美術館区民ギャラリーにて年に一度の展示を実施。若い頃に制作した作品から現在制作中の物を集め、参加者自身もプロとして活躍された方や、趣味や楽しみとしている方など、技術レベルや完成度、作品ジャンルも様々で、参加型の大型作品までを多様に展示する。入居者様にとっては恒例の展示が自然と生活の目標になり、熱心に制作に向かう姿や、エピソードを語られるご様子を通して介護スタッフがその方のこだわりや価値観を知りサービスが深まる。入居者様通しの新たな出会いも生まれ、ホームに入居したからこその豊かさがひろがる。
活動の特色
福祉・介護施設による美術展の一般的なイメージは、施設内の入居者様やご家族様といった身内向けの展示になりがちだが、本ART展は一般の方でも鑑賞に訪れる世田谷美術館で展示を行う事で、社会が高齢者や老人ホームに抱くイメージを変え、持続的に入居者様と社会の接点を生み出す事を期待している。また、真の目的は展示をする事ではなく、入居者様のQOL向上であるが、ARTによってひろがるその方自身の可能性と、介護における関わりの可能性を、これまでの活動の反響を通して実感している。
【来館者数】総計1533名、入居者様:333名、職員:322名、ご家族様・一般:878名(2019~2021年)