活動における重点テーマや目標
谷川俊太郎さんが昨年11月に亡くなったことを受け、合唱プロジェクト「どこからか言葉が」を始める。谷川さんゆかりの合唱曲の演奏や、長男・賢作さんらによる詩の朗読などを交え、谷川さんの人と業績を振り返る。
活動の概要
人気の作曲家6人がそれぞれ谷川さんの作品から一つを選び、合唱曲を書き下ろし、来年3月22日に東京・文京シビックホールでコンサートを開き、初披露される。
作曲するのは、混声合唱曲が新実徳英さんと信長貴富さん、男声が木下牧子さん、女声が瑞慶覧(ずけらん)尚子さんと面川倫一(おもかわのりかず)さん、児童合唱曲が松本望さん。今年9月末までに作曲し、来年3月のコンサートが初演となる。
コンサートでは、すでに親しまれてきた谷川さんゆかりの合唱曲も演奏する。そのほか、長男・賢作さんらによる詩の朗読なども交えて、谷川さんの人と業績を振り返り、文化的追悼と未来への希望を込めた舞台として企画している。
活動の特色
谷川作品は、その言葉のリズムや情感の豊かさから、多くの作曲家により合唱曲として作曲されている。特に若年層や音楽教育の現場では、詩の世界観を身体で感じる機会となり、言葉への感受性や共感力を育んできた。東京学芸大学ではその楽譜を2000点以上所蔵するなど、研究・演奏の対象としても重要視されている。谷川さんは、日常の感情や社会へのまなざしを、平易でありながら深い言葉で表現しており、合唱によってそれらが公共空間に響き渡るメッセージとなって「読む詩」から「響く詩」へと変容する。また、合唱によって詩が音楽的に再構築され、聴衆の心に直接届く体験型の文学ともなる。
