活動における重点テーマや目標
室町時代に生まれた能楽(能、狂言)は、世界最古の演劇と言われる。異なる流派の名手が同じ曲を競演する能、共に人間国宝である野村萬・万作兄弟が同じ曲を競演する狂言という組み合わせで18年開催している。
活動の概要
現代の日本を代表する能楽師を迎え、狂言1曲+能1曲という正当のスタイルで開催、今年で18回目を迎える。能楽シテ方の最大流派・観世流の名手・片山九郎右衛門師と、シテ五流派の中で唯一関西(京都)に本拠を構える金剛流の二十六世宗家にして人間国宝の金剛永謹師が日替わりで同じ曲を演じ合い流派の違いを見せる。また、狂言では野村萬師、野村万作師(共に人間国宝で和泉流)兄弟が同じ曲を演じ合い、こちらは同じ流派ながら兄弟の個性の違いを見比べる。2020年コロナ渦の中、能楽堂に行けないファン層のみならず、能に興味を示しつつも二の足を踏んでいた人々に一流の能楽師たちによる至芸を届けるため、動画配信を行った。
活動の特色
2007年、異なる二流派が同じ曲を競演しあう能楽公演を実現させるべく、観世流の浅見真州師、喜多流の友枝昭世師(人間国宝)によりスタートした。狂言は共に和泉流で人間国宝の野村萬、野村万作兄弟が同じ曲を上演。過去に同種の公演は行われていたが、出演する能楽師の顔ぶれや取り上げる作品など他の追随を許さないレベルで15年以上継続してきた。19年と23年の2回にわたり、日経能のパリ版ともいうべき引っ越し公演(本格的能舞台を日本で製作、フランスへ輸送、現地で組み立て)を実施、フランス国内で絶賛された。また、21年は一部客席にタブレットによる字幕サービスを実施、伝統芸能とIT融合を試みた。