活動における重点テーマや目標
国際的な日本の芸術文化の普及、振興へ貢献
活動の概要
明治期に海外へ渡った日本美術品のうち同館の所蔵品は質量ともに最大級を誇る。同コレクションは日本でも著名なモース、フェノロサら進取の気鋭に溢れるボストンの富裕層たちと同館の初代東洋美術部長を務めた岡倉によって形成された。1991年に日米の共同チームによる悉皆調査を開始し2022年には同成果を収載した図録を刊行した。併せて当該調査に携わった専門家に対しインタビューを実施し当時をご回想いただきつつ、その学術的意義と今後の国際共同プロジェクトの在り方や美術史学に対する展望を伺い、広くweb上で公開する。インタビューアは同図録等監修者の髙岸輝東京大学教授及びボストン美術館キュレーターを務めた竹崎宏基氏。
活動の特色
1990年に当財団の辻惟雄選考委員(当時)からの提案で、約15年に亘り仏画・垂迹画、仏像・神像、仏具、袈裟・横被、面、水墨画、初期および江戸狩野派琳派、土佐・住吉・復古大和絵、肉筆浮世絵、曾我蕭白・伊藤若冲、近代、円山四条派絵画、南画・雑、絵巻物等の調査を実施。現在、第一線で活躍する海外の研究者も調査に参加しており日本と海外の研究者による共同調査の先駆的な役割も果たした。このため、ボストン美術館によると、同館の所蔵品は在外の日本美術品の作品名の基準となることも多いとのこと。四半世紀近い歳月を経て刊行した同調査成果と併せ昭和、平成、令和と三世代に亘る研究者たちによる対談として記録・公開予定。