活動における重点テーマや目標
日本とアメリカを行き来した吉村順三が、アメリカのレーモンドファームで過ごした記録と、吉村アメリカで担当した作品やMOMAに招聘されて取り組んだ作品、それらの交流から日本で生まれた作品を紹介する。
活動の概要
吉村順三の生い立ちから、吉村がアメリカに滞在するきっかけの一つとなった「斎藤博駐米大使記念図書館」の設計に携わった戦前のアメリカでの仕事、また戦後MoMAの中庭に書院造りで建てた松風荘、モテル・オン・ザマウンテン食堂棟、ジャパンソサエティの設計などアメリカでの作品を紹介。画家猪熊弦一郎の自邸や国際文化会館、青山タワービル、八ヶ岳音楽堂などを設計した戦後日本での作品を模型やインタビュー映像をとして紹介した。その国の生活様式を住宅建築に反映させ、心地よい建築を設計し続け、日米に大きな影響を与えた、建築家吉村順三の仕事を次世代へ継承することを考える。
活動の特色
吉村順三は、第二次世界大戦をはさんで日本とアメリカを行き来し、日本の建築文化をアメリカに伝えた建築家。1940年吉村はペンシルベニア州ニューホープに帰国していたアントニン・レーモンドに招かれ、開戦の直前までの14か月間、レーモンド夫妻とともに暮らし、コロニアル建築の素朴な空間やニューヨークの摩天楼に至るまでを間近に経験し、吉村が日本建築の伝統の中に潜む、近来建築の要素再発見するきっかけとなる。戦後吉村はアメリカで経験したモダンライフを日本の建築に取り込む。吉村がアメリカで担当した作品から、国際的に活躍する芸術家などとの交流から生まれた日本の作品までを紹介し、業績をあきらかにする。