活動における重点テーマや目標
15世紀のヨーロッパに登場した活版および図版印刷が、新たな世界像を再構築する上で大きな役割を果たしたことを、天文学の発展を軸に紹介する。
活動の概要
天動説から地動説への転換が起こるなど、それまでの価値観が大きく崩れ新たな世界像が再構築された16世紀ヨーロッパ。当時、印刷者=学者が、登場間もない活版印刷術を新たな情報メディアとして大いに利用し、書物が出版されることで学問が発展を遂げることになった。その一つである天文学の発展について、印刷者=学者の活躍を中心に、関連書物、時代背景、地域性などを交え紹介する。展示構成は第一部から第五部より構成されており、国内外からの借用資料を含め約110点を展示紹介する。また展示以外として、トークショーや天体観望会のイベントも開催する。
活動の特色
コペルニクス『天球の回転について」、ガリレオ『星界からの報告』などの天文学書は、著者と書名は有名であるが、印刷者や出版地について知る人が意外と少ない。また、当時、天文学者の中には、自ら印刷機を設置して、主体的に出版活動を行った人物が多数存在していたこともあまり知られていない。本展では、16世紀以降のヨーロッパにおいて、彼ら印刷者の活躍や印刷技術なくして学問が発展しなかったことを、天文学の発展にスポットを当てて、紹介するものである。