活動における重点テーマや目標
くすりの町として知られる大阪・道修町の本社ビルに構えた企業ミュージアムの公開を通し、道修町と医薬品を起点に商都大阪の歴史と文化を発信、次世代教育や生涯教育に取り組み、地域の振興と認知向上をめざす。
活動の概要
道修町は、江戸中期に薬種問屋による株仲間「道修町薬種中買仲間」が結成されて以来、我が国の薬種取引の中心地として栄えてきた。1678年創業の当社では、2015年開館の史料館において、当社の歩みや医薬品の変遷に止まらず、道修町及び大阪の歴史や文化について資料展示している。結果、児童・生徒らの校外学習や市民および外国人の生涯教育に活用され、これまでに3万5千人超の来館者を迎えた。2017年から、新たな企業ミュージアムの在り方を模索する試みとして、年に2回の寄席を開催し、上方落語とともにその背景となった社会風土についての講演会を併催することを通して、大阪の歴史や文化に親しむ場を継続して提供している。
活動の特色
道修町には当社をはじめ50社近い製薬・薬品会社が建ち並び、各社は薬祖神を祀る少彦名神社(通称、神農さん)の崇敬団体「薬祖講」を結成して、その「薬祖講行事」(大阪市指定無形民俗文化財)を運営するとともに、「薬祖講」の前身ともいえる江戸中期の「道修町薬種中買仲間」以来の膨大な古文書「道修町文書」(大阪市指定有形文化財)を保存・研究し、地域文化の解明に努めている。2015年の当館開館を契機に、各社の展示施設が並ぶ地域一体を「道修町ミュージアムストリート」と名付け、合同で企画・運営する地域イベントを当社が主導し「くすりの町」のイメージアップを図っており、「たなみん寄席」もその一環としての活動である。