活動における重点テーマや目標
「発酵」とは微生物、いわゆる発酵菌のはたらきによって食物などが変化し、人間にとって有益に作用することである。人と「発酵」とのつながりを考えることで、生きるもの全てがつながっている暮らしを見つめ直す。
活動の概要
発酵食品や生産の現場を通して、微生物を育む環境、しょうゆを仕込む伝統的な木桶や、次世代につなげる木桶再生プロジェクトの取り組み、小豆島のしょうゆ蔵の構造から自然環境までを建築の視点から図解で紹介、 発酵食品から有機農業を実践する生産者の土づくりなど、微生物が人と自然の循環に果たす役割に光を当てる。今を乗り越えるヒントとして、日本の発酵文化、味噌、醤油という古からの知恵、メカニズムの不思議と食育の現状を追った。
『いただきます、ここは発酵の楽園』映画上映とオオタヴィン氏・吉田俊道氏によるトークショー、塚本由晴氏・藤原辰史氏らによるシンポジウム「発酵と建築―暮らしから生まれる風景」を実施。
活動の特色
コロナ禍で、私たちの身の回りは、これまで以上に滅菌、除菌、殺菌、抗菌の生活用品があふれ、ウィルスとあくなき戦いを続けてきた。一方で、生活を見つめる機会ともなり、食への関心を高めた。微生物の力でつくる発酵食品は、家庭でも手軽に作れ、長期間保存が可能で味も良く、今静かなブームとなっている。発酵文化は日本が世界に誇る食文化であり、人々の営み、蔵などの建築にも連綿と伝統が受け継がれている。
本企画では、日本の発酵文化について土づくりから生産の現場までそのサイクルを追い、目に見えない微生物の世界や、生きるものみんなが繋がっている地球の当たり前を見つめ直す。