活動における重点テーマや目標
「印刷文化学」の構築を掲げて「印刷の日本史」「印刷の世界史」「印刷×技術」の内容にリニューアルした常設展と、これまでの研究成果をまとめた『日本印刷文化史』の2つのコンテンツを核に新たな情報を発信する。
活動の概要
2020年に提唱した「印刷文化学」の構築を目指し、2022年は日本の印刷史を中心に、当館独自の企画展と講演、講義を展開していく。企画展は本年9月から「地図と印刷」を計画。地図をテーマとして、近世から近代初期の日本を中心とした人々と印刷のかかわりを考える。二つめは2021年から開催している「印刷文化学会議」を23年2月に開催する計画と、大学等の教育機関と「印刷文化学」をテーマとした授業、講義を企画している。なかでも実践女子大学については包括的連携協定に基づいた活動として6月より講義を実施する。それ以外でも海外の印刷文化施設との交流を強化して日本の印刷文化を伝える活動を計画している。
活動の特色
凸版印刷の生業である印刷をテーマとした博物館として2000年に開館したが、内容は社史を含む当社の情報にはほとんど触れることがない公共的な施設として活動してきた。その根幹には、印刷と人々との関係を長期にわたる文化文明史的な視点から見直し、それに関わった社会や人々の営みの証しについて検証、考察を進めて「印刷文化学」構築を目指すことである。これをベースにして、これまで検証されることがなかった印刷をテーマとした日本の文化や歴史を紹介することで、印刷の文化的価値ならびに印刷産業全体の認知度アップ、さらには国内外における日本文化の関心と評価向上への貢献を目指していく。
